第151話 東京二八蕎麦
待望久しい56年ぶりの東京オリンピックは未曽有の災害「新型コロナウイルスの感染拡大」によって延期となってしまいましたが、東京都は2020年のオリンピック開催を盛り上げようと都内の飲食組合を対象に助成を行いました。
この助成を受けた東京都麺類協同組合は江戸から引き継がれて来た食文化の代表である「そば」を国の内外を問わずより多くの人々に味わい知って頂くプロジェクトとして「東京二八蕎麦」のブランディング計画をスタートしています。
そばは江戸生まれの東京育ちの食です。二八蕎麦とはそば粉8割小麦粉2割で作ったお蕎麦で、香・風味・のど越しを味わって頂くために先人たちがたどり着いた黄金比率であります。元々当店ではこの黄金比率の「二八そば」を中心にそば粉10割で作る「生粉打ちそば」、更科の代名詞でもある「変わりそば」をお届けしておりますが今回の組合での取り組みはこの「二八そば」を組合加盟の賛同店舗でも販売し江戸以来の正統な蕎麦を皆様にお届けしようと言う企画でございます。自家製麺・自家製のそば汁で商いをさせて頂いている都内の蕎麦専門店は更なる技術の向上と、それぞれの店の主張とも言うべき「百点百味」世界を提供させて頂きます。「粋を楽しみ、技を味わう」をスローガンに各店舗が継承してきた伝統をお伝えしてまいります。酒と肴と〆の蕎麦はそば食いの嗜み、板わさ玉子焼を肴にクイックイッと軽快なピッチでの飲んだ後はせいろの蕎麦をたぐってすする。そんな心意気が「粋の真髄」かもしれません。そして他に同じ味はないと言うそば切りとそば汁をお出しするのがそれぞれの店の店主の思いの結晶です。そば粉を小麦粉を鰹節を醤油を味醂を砂糖を吟味しご先祖から引き継いできた「技」で作った各店の味の中からご自分のお好みを見つけて頂きたく思います。蕎麦店が生まれた江戸中期から300年の歳月を経た現在の東京には長く暖簾を守ってきた多くの老舗蕎麦店を始めとした約1300店になる組合加盟の蕎麦専門店がございますがこの2020年スタートの一年目は約600店舗が参加をしております。
目印は店頭の「二八」ののぼりと「東京二八蕎麦」の木札です。味の均一化で安心を標榜するチェーン店とは一線を画した蕎麦専門店の一つだけの味を是非お試しください。