2002年1月 第18話 木鉢会と銅子会
明けましておめでとうございます。
不景気、テロ騒ぎと騒がしかった新世紀のスタートでしたが12月に新宮様の誕生で、今年は明るい光が射しそうな気配を感じております。どうぞ今年もお付き合いの程をお願いいたします。
お蕎麦は江戸時代中期に江戸で爆発的人気となり庶民の食べ物として定着しました。
当時、時代劇でおなじみの屋台を除いても約4000軒のそば店が江戸市中に存在したと言われています。
現在まで「のれん」を守り続ける店はほんの僅かになりましたが、そんな老舗のそば店を中心にした会が東京には2つございます。それが「銅子会」と「木鉢会」でございます。
銅子会は昭和26年の設立されたのれんを横断した会で、「そば釜の湯で産湯をつかった者達」つまり、親が蕎麦屋を営む二代目以降の老舗の旦那衆の情報交換を目的に集まったものです。
一方木鉢会は昭和33年、銅子会の子弟である3代目以降の若旦那衆の技術向上の勉強会として設立されました。 発足当時の昭和30年代は、そば店の繁忙期で、新規参入も多く「蕎麦の味」に乱れが生じ、 蕎麦作りの技術の断絶が心配される時でした。そこで正しいそば技術の伝承と、そば店の在り様を研究する場として、 蕎麦作りの基本の基本「木鉢(蕎麦粉と水を混ぜ練る技術)」を名乗った訳です。
三代目以降ともなると、生まれつきのお蕎麦屋さんとなる次第で、温故知新を旗印に、旧弊に陥ることなく真のお蕎麦作りに精進することを会の命題と致しております。
加盟各店内には木鉢会の紹介をさせて頂く版画がございます。
木鉢会/銅子会 会員店名は以下の通りとなっております。 赤字は両会重複店
かんだ やぶそば ・ 室町 砂場 ・ 麻布 更科堀井 ・ 神田 まつや
芝大門 更科布屋 ・ 巴町 砂場 ・ 池之端 藪蕎麦 ・ 虎の門 砂場
上野 蓮玉庵 ・ 茅場町 長寿庵 ・ 神田 浅野屋 ・ 新橋 能登治
八重洲 蘭めん ・ 日本橋 やぶ久 ・ 銀座 よし田 ・ 大井 布恒更科
浜町 藪そば ・ 築地 さらしなの里 ・ 本郷 巴屋 ・ 浅草 尾張屋
神田 尾張屋 ・ 神田 更科 ・ 百人町 近江家 ・ 神田 柳屋
静岡 安田屋 ・ 八丁堀 あさだ ・ 有楽町 満留賀 ・ 日本橋 藪伊豆
上野 藪そば ・ 並木 藪蕎麦 ・ 梅田 藪重