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2003年10月 第39話  そば焼酎とそば茶

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商品化され広く販売されているそば関連の商品としては、「そば焼酎」と「そば茶」が代表選手です。
当店でも2000年12月よりオリジナルブランドとして、信州産そばによるそば焼酎「更科伝説」を開発致しました。そばは癖が無く、香り高いものとして、多くの方に好まれているようで嬉しく思います。

蕎麦焼酎」が市販製品として販売され始めたのは、比較的新しく昭和48年頃からのようです。
宮崎県や長野県で製造を開始、その後九州各地を中心に、健康ブームや焼酎ブームに乗り急激に需要が伸び、その存在が全国に知れるようになりました。一般に焼酎は、まずこうじと水だけで仕込み、酵母を増殖させます。この一次もろみを酒母として各種原料と水を加え二次もろみを発酵させ、蒸留して焼酎となります。 例を挙げますと
熊本の球磨焼酎は二次もろみに蒸した米を、
鹿児島の芋焼酎は二次もろみにサツマイモを使うと言った具合です。

「そば焼酎」では通常、一次もろみに米こうじや麦こうじを使い、二次もろみに砕いたり、
あるいは全粒のままの蒸したそば米(殻を取ったソバの実)を使います。
そば焼酎の場合、でんぷん質が他の焼酎に比べて少ない為に補強や味のメリハリを付ける効果で
そば以外の雑穀が加えられるケースが少なくないようです。
現在最もポピュラーになっている宮崎のそば焼酎はこうした雑穀の一つにそばを選び作られたもの
と思われます。
当店オリジナルそば焼酎「更科伝説
一次もろみに米こうじ、二次もろみに信州産の香りの強いソバの実を使い、雑穀は一切使用せず、
そばの料を増やし味わいを豊かに仕上げました。
そば湯で割った「そば湯割り」は蕎麦店ならではのおつな飲み方です。
マイルドな口当たりの上に健康・栄養に大変優れております。
今年に入って原料を100%そばにしたそば焼酎が出来たそうです。
そば粉100%で作った「生粉打ちそば」と同じこだわり発想のものです。
現在は限定と言うことで一般市場には出回らず、蕎麦店限定の卸になっています。
一度仕入れてお出ししてみようかと考えております。

一方「そば茶」は、昭和50年代に入ってからの開発・販売です。
蕎麦ならではの芳ばしい香りとまろやかな甘さを感じる風味が特徴です。
日本では嗜好飲料として緑茶の他に、大麦を殻付きのまま炒った麦茶や、玄米を炒った玄米茶が広く飲まれますが、そば茶の場合はその優れた栄養価を生かして、健康茶の意味合いが強いようです。蒸してから殻を取ったソバの実をを原料とし、これを焙煎して作られます。
成分はソバ100%。タンパク質、ビタミン類、ルチンが豊富に含まれ、その上タンニンやカフェインと
言った刺激性の成分がほとんど無く、睡眠の邪魔になる心配はありません。