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2003年7月 第36話  お蕎麦の栄養価

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食品研究機関のさる権威ある先生のお話によると「おそば屋さんは幸せだ。おそばは栄養学的に見ても完全食だし、何と言っても自然食。そば屋の親父で血圧が高いの体の調子が悪いのと言っている奴は、自分の店のそばを食べていない証拠だ。」と言う事になるそうです。
そばの栄養は「でんぷん」と「タンパク質」が主体で、実の内部にでんぷんが、表層部にタンパク質が含まれます。栄養上の価値でも同じ量の小麦の10倍、カロリーではお米と同じ程度ではありますが、タンパク質では雲泥の差でそばが勝っています。このタンパク質は食いだめがきかず、毎日バランスよく摂取する必要があります。

挽きぐるみの蕎麦粉(当店では生粉打ちそば)の場合、何と13%のタンパク質が含まれ、栄養価を示す蛋白価は、小麦59,白米70に対し88と、豆類をのぞく穀物の中で最も高い含有量であります。
肉類と違い良質の植物性タンパク質は、我々東洋人にとって非常に吸収され易く、肉100gとそば100gから摂取できる蛋白質の分量は、同じになるとのことです。
一方ビタミンについては、AおよびCはほとんど含まれておりませんが、ビタミンB群が多量に含まれます。
日本人に不足がちなB1・B2は米、小麦の2倍となります。

さらに、毛細血管の強化、脳出血、高血圧の予防効果があるルチンは、他の食物にはない成分となっいます。蛇足ながら、ルチンは食後のそば湯にも多く含まれますので、是非お飲み下さい。
そして、最近特にその重要性が注目される食物繊維も5%と白米の2倍強になり、便秘、毒性制御に効果大とされています。

 今回、そばの栄養価について色々調べさせていただいて、
「天丼をお食べになるなら天ぷらそばになさい。はるかに栄養のバランスが良いですよ。」
「カレーライス一杯の昼食はやめて、カレーそばにもりそば一枚というのは如何ですか。」と、お薦めしたい気持ちです。 「お子様の成長のためにも、パンやラーメンよりも蕎麦粉のたくさん入ったもりそばの方がはるかにいいし、安心してお食べになれる自然食です。」とお母様方にも声を大にして申し上げたいと思いました。しかし、おそばはすぐにお腹がすきます。
腹持ちが悪いので敬遠されるお客様もおられますが、すぐにお腹がすくのは消化のいい証拠でございます。