トップ > 店主の独り言 > 2004年9月 第50話  自家製粉

hitorigoto_main.jpg

2004年9月 第50話  自家製粉

一覧へ戻る

この何年か試行錯誤を繰り返し50話でお知らせしていた、当店独自の哲学による独自の方法でオリジナルのそば粉製粉のラインを実現する運びとなりました。

当店のそば粉製粉のコンセプトは、「人の手による石臼製粉の再現」です。

「何も足さず、何も引かず」厳選された国産そばを全てありのまま丁寧に挽き込むことであります。
単に石臼を使っただけと言う製粉ではありません。 素材そのもの=最高の調和を持つそば粉はこの方法以外実現し得ないものであると確信する製粉です。 具体的にお話しいたしますと、

(1)間違った解釈をされていることが多いそばの黒さの原因である食用にならないそば殻は
一粒たりとも見逃さず完全に取り去ります。穀物の粉体は白いものなのです。
(2)石臼の回転速度は人の手による速度と同じ毎分12~15回転にセットいたします。
その為1時間当たり3kgと言う僅かな製粉しかできません。
(3)蕎麦の実一粒一粒をを完全にそして丁寧に挽き込みます。
(4)350 μmmと言う非常に細かいふるいで仕上げます。(約6c㎡に47個の穴の空いた篩です)これによってふすまと呼ばれる雑味だけを除去し色と香りを整えます。

こうして出来上がったそば粉は驚くべきしっとり感を持った粉となり、微粉末の滑らかな口当たりとそば本来の風味を最大限に含んだ最高級のそば粉となりました。
これにより強すぎず弱すぎず上品で程良い風味としっかりしたコシが立った「本物のお蕎麦の味わい」
を堪能して頂ける事と確信しております。

全国蕎麦店の80%を越える機械ロール挽きのそば粉や単なる石臼製粉とは一線を画したお蕎麦です。
この違いを必ずや実感頂けるものと自負しております。
思い起こすとこの原点回帰を思い立ってから10年近くに及ぶ長い年月が経った訳ですが、
ここに実現の運びになり感慨もひとしおで御座います。