2014年7月 第125話 家庭でのそばの茹で方 生麺
前回家庭での乾麺の美味しい茹で方をご紹介いたしましたが、今回は「生麺」の茹で方をご紹介いたします。
当店でお蕎麦のお土産というと
1 茹で上がったお蕎麦の折詰め
2 茹でていない生麺の折詰め
3 乾麺 の3種類をご用意しておりますが、手間無く持ち帰ってすぐに食べられる「茹で麺」、保存が出来る「乾麺」、ご家庭に持ち帰りお食べ頂く際に店内のお蕎麦に最も近い「生麺」とそれぞれの便利さが違います。
年越し蕎麦のお土産も従来は茹で麺が殆どでしたが、最近はご家庭で一手間加えていただく生麺をお薦めしております。
「生麺」の良い所は俗に言う「三たて」の内の「茹でたて」の美味しさを実現できる所ではないかと思います。
とは言っても丁寧でしっかりとした製麺技術の裏づけが無いと、茹でる技術も道具も違うご家庭でのいつも通りの食感はお約束できないと思います。
しっかりとした製麺を前提にここでは茹で方の技術の一端をお伝えできればと考えております。
材料:生麺お土産(四人前480g 程度を目安)
道具:できるだけ大きな鍋・揚げ笊(深めのざる)・ため笊(浅めのざる)
ステンボール×2・せいろ(水きれの良い皿)・菜箸・氷
1.ステンボール×2に水を張り、そのうちの一つのボールにはたっぷり氷を入れておく。
2. 鍋にお湯を張り火に掛け.完全に沸騰させる。
3.1人前約120gのそばを手に取りぱらぱらとほぐしながら滑らせるようにそっとお湯に入れる。
4.そっと浮き上がらせるように菜箸使い混ぜる。蕎麦を切らないように細心の注意がコツ。
5.火の勢いは変えず、吹きこぼれそうになったら差し水をし、そばが湯の中で対流するように注意する茹で時間は90秒から120秒が目安です。 菜箸に数本引っ掛け親指の腹で軽く押してぷつっと切れれば茹で上がりです、蕎麦は冷水で洗うので芯を残すアルデンテの必要はありません。しっかり茹でるのが美味しいお蕎麦です。
6.茹であがったら揚げ笊にあけ、用意したボールの水を一気に掛ける。水は冷たいほど良い。
7. そばの入った揚げざるをボールに入れ、流水でよく洗う。
水道の蛇口にはシャワーをつけておいた方が、水がそば全体にかかります。
ぬめりが良く取れるまで水の中を泳がせるように丁寧に洗います。小川が流れるような音がします。
8. 洗い終わったら、用意しておいた氷水にそばをあけ、10秒程度さらしよく冷やす。
9.ため笊に小ちょぼにとり、余分な水気を切る。
10. せいろ等水きれの良い器に盛りつける。
少量ずつ、沸騰を保って茹で、冷水で洗う事が蕎麦店の食感に近づけるコツです。